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今月のピンポイントアドバイス

真のリーダー像を考える

『わが歯科医院らしさ』を貫くように
行動する


 今月は選挙の月となりましたが、問題となっている「政治におけるリーダーシップのあり方」に因み、歯科医院の院長としてどのようなリーダー像を目指すべきかを論じてみたいと思います。

 3年前、一人の才能豊かなリーダーが急逝しました。バンカーとして頂上に上り詰めようかという矢先に非業の死を遂げたその人は、日本ラグビー史にその名を残す名スクラムハーフ宿沢広朗氏です。

 宿沢氏は学生時代もキャプテンを務めるなどそのリーダーシップは折り紙つきのものでした。黄金時代と称えられたその在学中の最終ゲームは明治大学との間で行われた大学選手権決勝でしたが、無念の逆転負けとなりました。

 明治サイドのタッチジャッジの不用意さから微妙な判定となり、気色ばんだ早稲田の選手たちがレフェリーに詰め寄ろうとした時、宿沢氏は「黙っていろ!最後まで早稲田らしくプレーすればいい」そう言ってチームメートを制したといいます。

 早稲田フィフティーンは冷静さを取り戻し、再逆転に闘志を燃やすのですが、無情な時間はやがてノーサイドの笛を鳴らすことになります。スコアは何と1点差の12対13でした。

 宿沢氏が在籍していた当時の早稲田ラグビーは、学生レベルでは無敵の常勝チームであったばかりか、今では考えられませんが社会人と覇を競った日本選手権においても、彼が2年生3年生であったシーズンには見事連覇を果たしており、主将として臨んだこのシーズンは日本選手権3連覇すら期待されていたのです。

 そのような状況の中で誰よりも勝つことに執念を燃やしたであろう宿沢氏は、「何が何でも勝てば良い」ではなく「『わがチームのあるべき姿』を守った上で勝たなくては価値がない」と考えたのでしょう。「早稲田らしさ」を守ることの大切さをチームメートに思い起こさせ、自らも態度で示したのでした。立派なキャプテンシーでありリーダーシップであったと言うべきでしょう。

 私たちは損か得かでものごとを考えたとき、時として大切にしてきた『自分たちらしさ』を見失い品格に欠ける行動に出てしまいがちです。そんなときぶれない行動で『自分たちのあるべき姿』に気付かせてくれる人がリーダーと呼ぶにふさわしいのだと思います。

特に医療機関は損得で判断すべきではない場面が多いはずです。「自分たちはどういう歯科医院であるべきか」「皆がここに結集するうえで共感している価値は何なのか」そのような『わが医院のあるべき姿』を常に明確にし、仮に損失を被ることがあったにせよ『○○歯科医院らしさ』を貫く院長であってほしいと思います。
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