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現早稲田大学ラグビー蹴球部監督の中竹竜二氏はその著書『リーダーシップからフォロワーシップへ/カリスマリーダー不要のリーダーシップ論』(阪急コミュニケーションズ)の中で、自らが正しいと信じて行なう行動のことを『スタイル』と呼んでいますが、スタイルとは“一貫性”や“こだわり”あるいは“らしさ”といった言葉で表され、リーダーが持つべきリーダーシップは『スタイル』の確立であると述べています。
一般的には企画力や営業力や技術力、あるいは説得力などといった『○○力』をたくさん持っているか、一番優れていることがリーダーには必要であると思われがちで、書店に並ぶ『○○力を高める!』や『知らず知らずに○○力をつける日々の習慣』などという安直な本を買ってきては、いわゆる『スキル』を身につけようとする人種が最近増えているようです。そして歯科医師の中にも同様の行動をとる人が増えているように感じます。
中竹竜二氏はリーダーの条件について「個別のスキルを身につけることではなく、身の丈に応じた言動・態度を常に貫く『一貫性のあるスタイル』を持つこと」と定義しています。
つまり優れたスキルを誰よりもたくさん持つ必要などなく、自分の能力の範囲内で、できることをぶれることなく言行一致で貫くことがリーダーシップなのです。
スキルはその力量や良し悪しによって1番2番という序列を決めることができますが、スタイルは良し悪しではなく、有るか無いかであって、それを強烈に持つことが大切だ。つまり強烈なスタイルを持つのではなく、スタイルを強烈に持つことだと述べています。
歯科医院の院長はこのサジェスチョンに刮目すべきです。歯科医師の専門技術を磨くこと以外に、時間をかけてまで他のスキルを得ようとする必要などないということです。自分自身の身の丈に応じた言動・態度を常に貫く『一貫性のあるスタイル』を持つことだけで十分なのではないでしょうか。
日本経済新聞客員コラムニスト田勢康弘氏は7月13日付の同紙朝刊の論説『核心』の中で「指導者に最も必要なのは、自分よりも優れた人材をまわりに配する事だ。」として為政者のリーダーシップのありかたに触れていますが、『中竹流リーダーシップ論』に相通じる考え方ではないでしょうか。
歯科医院もまったく同じです。院長が何でも仕切ろうとすればするほど医院は弱体化してゆきます。逆に医院運営上必要な様々なスキルに関して院長を凌ぐ優秀なスタッフを揃えた上で権限を付与すれば医院は見る見る強化されて行きます。ただ院長は歯科治療のスキルにおいては第一人者でなくては困りますが、それ以外のスキルをことさら磨こうとする必要はないのです。まして安直なハウツー本などに頼ることは絶対にやめるべきです。
ただ優秀なスキルの持ち主たちが方向を違えないよう常に「わが医院らしさ」を語り、それを高めるよう伝え続けるだけでよいのです。注意すべきは1点、“専門バカ”にならないこと。時間を作ってでも古典文学や歴史書、哲学書などを読むことをお勧めします。厚みと深みのある理想的な院長となるでしょう。
(Management Club Report 2009.7月号から抜粋しました)
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