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今月のピンポイントアドバイス

医院を発展させるための院長心得

全員が成長してこそ医院は発展する


 歯科医師はサラリーマンとは異なり年功序列には無縁の、技術の優劣が勝敗を分ける『職人』の世界に身を置いているわけで、後輩や部下に対しては「技術は教えない、盗み取れ」というような、いわばプロ野球選手と同質の精神構造にあるといってよいでしょう。

 院長は組織のトップであり経営者ですので、医院全体の発展を考える立場としては部下の医師に技術を教えるべきではあるのですが、『医院=自分自身』 といった感覚が抜け切らないためなのか、技術指導にはどうも消極的です。

 それは前述した『職人の血』がそうさせていることと、自分が収益を稼ぎ出す唯一の存在であるという思い、というよりも仕組みになっていることに起因しているのではないでしょうか。

 つまり歯科医師と歯科衛生士以外は口腔内に手をつけられず、しかも保険医療機関の代表として自分が判を押して請求しなければ診療報酬が受け取れない仕組みの中に存在していることです。

 そのような感覚で捉えた場合、医院発展の基は院長自身がいかに技量を磨き営業力を高めるかにかかってしまうわけで、医院で働く他の人間は、院長を支えるための脇役の存在でしかなくなります。

 勤務医は院長が物理的にこなせない治療を補完し、スタッフは院長や勤務医がスムーズに気持ちよく働くことができるように彼らの手足となってサポートする。歯科医院はずっとそんなふうにして運営されてきたのです。

 院長が患者に治療後の説明をしている場面で、アシスタント役の歯科衛生士や歯科助手がその中に加わらず、まるで部外者のように離れて立っているシーンをよく見かけます。院長の指示があれば直ぐに動ける態勢なのでしょう。まさに“院長の手足”となっていることを感じる典型的な場面です。

 これでは組織として真っ当に発展することは難しいでしょう。院長以外は誰も、そこに自らの人生を賭けようとはしない、所詮一時的な働き口を求める人間の集団にしかなり得ないのです。

 院長は、自分自身を高めるのと同じくらい部下や弟子の成長に関与し、心を砕き、彼らに働きがいと生きがいを提供しなくてはいけません。そうしない限り、組織は健全に発展することも無ければ、強化されることもなく、結果的には顧客にも信頼感を抱かれることがなくなっていくのです。

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