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さて、歯科医院にも不機嫌な職場は存在するのでしょうか。本来歯科医院という職場は一般のオフィスとは異なり、密接なチーム連携が常時不可欠な仕事であるため無言になることはなく、世に言われる『不機嫌な職場』にはならないと思われます。
ところが現実には、歯科医院も『無言ビジネス』であり『無言職場』でもあったのです。よく見かける『不機嫌さ』をいくつか列挙してみます。
≪指示や依頼をするとき、受けるとき≫
■受けたスタッフが返事をせずに無言で行なう。返事をする場合でも小声で「ハイ」、面倒臭そうに鼻息を吐きながら「フー、ハイ」。指示を出した院長は、「返事くらいしろよ」「もっとキビキビした返事をしろ」と心の中で怒っている風情が感じられる。
■指示や依頼をするとき相手の名前を呼ばない。聞いた数人のスタッフが顔を見合わせながら「誰?」「私?」と無言で確認しあい「いっつもだよ、誰に言っているのか名前言えよ」と心の中で毒づいているような表情をみせる。
■指示や依頼をするとき、治療中以外で手が空いているときでも相手に顔を向けずに、何かをしながら行なう。言われた方は少しムッとくる。
≪指示や依頼事項を実行し終わったとき≫
■行なったスタッフが何も報告しない。報告しても「用意できました」とボソッと言うだけ。受けた院長は「何が気に入らないんだ、一体!」と言いたそうに感じる。
■報告を受け院長が何も言わず無視状態。スタッフも何も期待していないから無言、場の空気は決して良くはない。
≪朝礼やミーティングのとき≫
■ほとんど形式的な朝礼をつまらなそうに行なう。決められたフレーズを早口で棒読みする。
■ミーティングで意見が出ない。院長が一人で話し、スタッフはつまらなそうな顔で聞いているだけ。
≪事務的なこと、システム上のこと≫
■業務分担や役割分担などスタッフに権限委譲した場合、した以上は院長が中途半端に口を挟まない。「だったら、院長が全部やれば」「任せたならとりあえず黙っててよ」こんな怒りの声が聞こえてくる。
≪対顧客応対上のこと≫
■決まり文句(ひざ掛けかけます・エプロン着けます・椅子倒します・少々お待ちください)以外は話しかけない(言葉遣いも不適切だが)。患者から訊かれれば答える。これでは『無言ビジネス』と同じ。
まさに不機嫌な職場そのものではないでしょうか。こんなことではダメなのです。歯科医院はハイテク職場ではありますが、学生や外国人のアルバイトでは絶対に成り立たない、『専門技能』と『言葉』が不可欠な知的な仕事です。絶対に不機嫌な無言の職場であってはいけません。
といって、子供じみたやり方で“上機嫌”を演出する、ホームルームや学芸会の真似事もいただけません。心すべきことは『知的な仕事』に対する誇りを抱くことと、誇りの裏付けとなる自らの知性を高めることなのです。
(Management Club Report 2009.3月号から抜粋しました)
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