| 院内設計の良くない事例

全国いろいろな歯科医院にお伺いしていますが、院内の設計やレイアウトに疑問を持つことがよくあります。今回はその中の一つとして「ドアの開き方」についてアドバイスを送りたいと思います。
待合室と診療室の境目にドアのある歯科医院の場合そのドアの開き方は、ほぼ8割から9割が診療室から見て「外開き仕様」になっています。すなわち診療室側から押して待合室側にドアが開くスタイルが圧倒的に多いのです。
この「外開き仕様」はあまりよくありません。外開きというドアの開け方には、開けられる側にいる顧客に無言の圧力をかけたり、スタッフの顧客本位な動きを妨げたりといった、サービス業にとって致命的ともいえる問題が潜んでいるからです。
外開きの医院で顧客を診療室に呼び入れようとして中からドアを押し開ける時、次のようなことが起きます。ひとつは待合室にいる顧客にちょっとした圧力を感じさせていることです。特に快活な人が行ないますとドアは勢いよく開けられますので、待合室の空気をグーッと押し分ける感じがして、待合室の顧客の気持ちに僅かながらもプレッシャーを与えるのです。もし付近に人がいた場合は事故に至る危険性すらあります。それは、歯科医院というそもそもプレッシャーを感じやすい施設の待合室には不似合いな感覚であり、その感覚を助長させる不都合な仕様であると言えます。
もうひとつは、顧客をチェアに誘導する際にドアの開閉処理が障害となってスタッフの動きをぎこちなくさせている点です。待合室側に開いたドアを閉めるためには、顧客を診療室内へ入れてから待合室側にあるドアノブを引かなくてはならないので、顧客を先導するという「出迎えの基本型」がまったく取れなくなるのです。そこで、先を歩く顧客をナビゲートするためにやむを得ず歯科医院での“専門用語”が飛び出すのです。「3番のお席へどうぞ」
顧客の安全を最優先しなくてはならない医療機関にとって診療室内を先導できない状況は問題だと思います。不測の事態に備えて常に顧客サポートを第一義的に考える細心さは、待合室から診療室へ入る瞬間から備えられ表現されなければ医療機関としては失格でしょう。
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