| 真の公益貢献を目指そう

今、確実に起き始めている変化があります。歯科治療において自由診療が伸び出したことです。患者側に「良いものは受け入れたい」という姿勢が生まれてきており、良い治療方法を自然に勧めることで自由診療が増える。これが今起き始めている新しい動きだと思います。
それは病気指向型人間(「あんな生活をしていたらいつか必ず身体を壊す」と思われる人たち)が健康志向型人間(健康に留意し、積極的に健康になろうとする人たち)に変わりつつあるということでしょう。そして第三者機関がサービス提供者から提出された請求書を事後点検するという保険診療のシステムに一種の訝しさを感じ始めている表れでもあると思います。
大多数が病気指向型人間であった頃は、患者がそのシステムに疑念を抱くことはありませんでしたし、全面的に依存する医療者との間に金銭を絡めたハードな関係が構築されるより、一種のほんのりとしたソフトな関係でいることの方にお互いの心地良さがあったのだと思います。どちらにしても「治療費は国が払ってくれる」わけですから。
しかし、健康志向型人間にとってはこの不透明さは自らの生き様に限りなく反するようです。健康志向型人間は健康に向けて貪欲ですので、健康投資に関する費用対効果には極めてシビアな面を持っています。つまり効果があるものなら、費用がそれなりにかかることに異存はなく、反対に費用があまりかからなくても効果が薄い場合は価値を見出さないという対応になります。
これからの歯科医院の対応は、健康志向型人間にターゲットを絞り、その人たちの期待に応えていくビジョンとスキルを備えたサービスをデザインしていかなくてはならないのです。その歯科医療サービスをデザインする基になるのが、経営戦略の確立です。
経営戦略はいろいろな角度からの検討が必要ですが、今回は「公益貢献戦略」を考えて見ます。公益貢献は現代社会での重要な価値観のひとつです。公益貢献や法令遵守に疎い企業や組織は社会が認めなくなりました。歯科医院も同様だと認識してください。いくつかある歯科医院の中からどの歯科医院を選ぶかと問われれば、「何かしら社会に対して貢献している歯科医院」という答えが返ってくるようになるでしょう。
| |