| 2010年は新時代への転換の年

ようやくテレビドラマ化された司馬遼太郎の代表作『坂の上の雲』、20年程前に読み魅了された小説で、いつ映画化されるのだろうかと待ち望んでいた夢がようやく実現しました。
『坂の上の雲』が全国民の注目を浴びるような形でテレビ放映されるようになった“空気”が2009年から2010年にかけて確実に生れてきているように思います。そこには今の時代が失った精神や心意気のすべてが脈々として息づいているのです。
主人公は伊予松山出身の2人の軍人、日露戦争を勝利に導いた立役者である秋山好古、真之兄弟、そしてと1人の俳人正岡子規ですが、あえて言うと主人公は明治という時代そのものであるのかもしれません。現に作者自身そのように書いてもいます。
主人公の一人秋山好古の生き様の概略を取り上げてみます。秋山好古は従二位勲一等功二級の陸軍大将ということですから、よく分かりませんがとてつもなく偉い軍人だったのだと思います。
彼は日露戦争において、世界最強を謳われたロシアのコサック騎兵を向こうに回して一歩も退かず、これを撃退する武勲を立て『日本騎兵育ての親』と言われたそうです。
司馬遼太郎は騎兵の育成強化に全霊を打ち込んだ好古のストレートな生き方について「好古は自分の人生は簡単明瞭でありたいと思っている」と表し、好古に「男子の生涯は一事をなせば足りる」と語らせています。
このような秋山好古の生き様は、分かりやすいひとつのスタイルで、「一事を極める」というリーダーに相応しいものと言えます。
退役した後、好古は爵位の授与を辞退し、請われて地元松山の私立北予中学校の校長に就任するのですが、勲功に輝く陸軍大将の身の処し方としては前代未聞のことで、そのニュースが報じられるや、全国民の間に敬意に満ちた驚きが広がったそうです。
騎兵の育成に半生を捧げた好古は、余生もまた教育に身を投じ、若人の育成に情熱を注いだのでした。
歯科医師の方たちは、歯科医師を天職として選び、地域住民の健康増進に身を捧げることのできる大変恵まれた境遇にあります。これほど幸せなことはありません。余技は必要ありません。『自分らしさ』をスタイルとして貫いてもらいたいと思います。
「男子の生涯は一事をなせば足りる」
こういう院長が求められ始めているのです。
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